超大作として有名ですよね。
かなり苦労して読了した記憶があります。
今になって「別の解釈」が湧き出して来ました。
話の筋はほとんど割愛(話の筋が少し前後しているかも知れません)しますが・・・
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バトラーは
肉体を持った人間ではなく
スカーレットの内面にいる
別のスカーレット自身
だったのではないか?
という独自解釈です
最後まで読んで頂だけると
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スカーレットがアシュリーを愛し続けるものの、アシュリーは別の女性と結婚してしまいます。アシュリーはスカーレットと妻メラニーの間で揺れ動いた結果、「メラニーが僕の全てだった」そしてスカーレットは肉体的にしか愛せないと彼女の死後、スカーレットに打ち明けます。その衝撃からかスカーレットの「スカーレットを冷静に見つめて、時に励まし時に批判・警告するバトラーという内面におけるスカーレットが強い影響力を発揮」し始めました。
スカーレットは自身が「美しい容姿を持った女性」である事をフル活用して、時には「人として正しくないと思われる行為(スカーレットに魅力を感じている男性の悪用)」などを行います。
そういう時に「スカーレットの内部にいるバトラーが"そんな事をやっていてもいいのか?"とシニカルに批判してきます」これはスカーレットの「自問自答・自己批判」とも解釈できます。
時にスカーレットは耐えきれず「スカーレットの内面にいるバトラーと決別」します。
しかしながらまたその後には「バトラーの魅力に魅了されたままの自分」にスカーレットは「矛盾」として悩まされます。
これは「自己内矛盾の象徴」ではないでしょうか。
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話は飛ばして・・・
スカーレットは自身のアイデンティティー(独自性・自己認識:ウィズダム英和辞典より)を取り戻すために故郷タラを目指し、紆余曲折・波乱万丈・時には自身の魅力に惹かれた男性を利用して故郷タラへと辿り着きます。
(スカーレットはただ単に「強い女性」であっただけではなく「時に非常識な手段をも使う面」も多々あった事は原作からしか読み取れません。そしてその中では多くの登場人物が複雑に絡んで来いますが、敢えて省略させて頂きます)
そこにはバトラーが待ち受けており和解したように描かれます。
これは「スカーレットが内面に存在するバトラーという自分自身と和解した」と解釈する事が出来るのではないでしょうか。
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スカーレットは自身のアイデンティティーを取り戻すために故郷タラに戻りました。
ラストでは「明日またやりなおす」という有名なひとことで終わりますが、これは決して「今日からではなく明日からでいいや」ではなく「今日までの出来事を全て受け入れて自分自身と和解した事により、明日からは自身のアイデンティティーを取り戻し生まれ変わった自分自身として生きて行く」と解釈できます。
しかし「自身のアイデンティティーを取り戻す=自分自身と和解する(過去を受け入れ未来へと向かう)」のが大切であって、必ずしも「その場所は故郷タラである必要性はなかった」のかも知れません。
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また「吉田拓郎」の「今日までそして明日から」という楽曲にも繋がります。
この楽曲の中では「わたしは今日まで生きて"み"ました」の「仮定形」の繰り返しによる「過去の振り返り」から「明日からも こうして生きて"行く"だろうと」との「過去を受け入れて肯定的に生きて行く」という「決定形」に変わっています。
そして真ん中の部分では「わたしにはわたしの生き方がある それはおそらく自分というものを 知るところから始まるのでしょう」とありますが、この「自分というものを知る=自分の過去を認めて自分と和解する=自身のアイデンティティーを確立する」と解釈してもいいでしょう。
この歌の中では「明日から"どこで"生きて行くのか」は明確に描かれていません。
それは多分「場所は関係なく故郷とかに縛られる必要はない」からなのではないでしょうか。
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こう解釈すると「谷甲州」が「小松左京」と共著?した「日本沈没第二部」との関連性が出てきます。
物理的に日本という故郷が沈没した事により失ってしまったが、日本人としてのアイデンティティーを守りつつ、それを具体的に取り戻す(確立)場所を求めて「宇宙」へと旅立ちます。
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なぜ今回この解釈を記事にしたのかとの真の意図は「災害」「紛争」「侵略」「戦争」などによって「物理的に故郷を失った方々」が沢山いらっしゃると思います。オレも別の意味で故郷を失いました。実家は更地となって今は別の人が別の家を建てています。帰る場所はなく、故郷ではない土地で暮らしていますが「過去を受け入れて自分自身と和解できた」と感じているので自身のアイデンティティーを取り戻す事が出来ていると感じています。
そうでないとこんな記事は書けませんから。
実体験があってこその「責任を持った解釈からの結びつけた記事」になっています。
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他には「抽象的な心の故郷を失っている方」も大勢いらっしゃると思います。
その方々にもこの記事が少しでも「心の支えとしてのお力として少しばかりのヒント」になると幸いです。